PBL 発表 / 搬送高コスト分析
Ambulance Report in Fukuoka
搬送高コスト上位5%の絞り込みによる分析
コスト=現場到着〜病院到着の搬送時間 | 50万件データ使用
今日もいきてるズ
吉澤未来 藤野胡美 米澤華花
土倉正嗣 大西健太 髙木修作
分析ロジック フロー
STEP 01
コスト定義 & データ抽出
搬送時間をコストと定義。50万件から上位5%(高コスト)を対象に絞り込み
STEP 02
疾病・時間の傾向把握
精神系・呼吸器系が突出。夕方(13〜20時)に件数集中
STEP 03
地域別(区)分析
博多区が高コスト、東区が低コスト。西区も呼吸器系で割合高
STEP 04
地理・病院配置の考察
病院分散・受入体制・交通の影響を文献とマップで検証
STEP 05
病院集約仮説の検証
下位5%は搬送先集約度が高く、集約→低コストの可能性を確認
RESULT
介入ポイント特定
博多区・13-20時・精神系+呼吸器系に集中介入でさらに55件搬送可能
主要指標 — 50万件データ
平均搬送時間(全体)
25.7
現場到着〜病院到着
上位5%の搬送総時間
24,000 h
約24,000時間 / 24,990件
平均まで落とせれば2倍搬送可能
上位5% 1件あたり平均
57
全体平均の 2倍以上
博多区→東区水準なら
+55
追加搬送が可能(精神系)
3,205分 = 約53時間の節約
疾病・時間の傾向
DISEASE 高コスト疾病 — 上位5% vs 全体 搬送時間割合差
呼吸器系
+6.07%
精神系
+1.9%
各種中毒
+2.04%
筋骨格
+0.08%
KEY FINDING
精神系:1件あたり平均 68分(全体平均の約2.4倍)
呼吸器系:件数・搬送時間ともに上位5%で突出。4,195件・計259,506分
TIME 時間帯別・曜日別の傾向
■ 曜日別搬送件数(上位5%)— 強い偏りなし
638
583
627
531
545
542
528
■ 時間帯別 呼吸器系搬送件数(上位5%・0〜23時)
0時61213-20時▲23時
KEY FINDING
13〜20時に搬送件数が集中。曜日差は小さく、時間帯が主要因
地域別分析 — 博多区 vs 東区(精神系)/ 西区 vs 城南区(呼吸器系)
精神系 博多区(高コスト)vs 東区(低コスト)
博多区 上位5% 1件平均
58.0
5,288件 / 計306,907分
東区 上位5% 1件平均
57.4
搬送先が区内に集約
要因博多区東区
成人割合高い低い
上位5病院への集約率53.62%70.83%
搬送先の物理的距離区外が多い区内が多い
精神科受入 (雁の巣)遠い近い(24h対応)
シミュレーション結果
博多区が東区水準に達すると 3,205分節約 → さらに55件搬送可能
呼吸器系 西区(高コスト)vs 城南区(低コスト)
西区城南区
面積約83 km²約16 km²
人口約21万人約13万人
人口密度約4万人/km²約1.2万人/km²
呼吸器内科数(救急対応)83
搬送データ件数(50万件)約60,000件約36,000件
三次救急(呼吸器専門)なしあり
KEY FINDING
西区は面積・人口に対して病院数が少なく分散。呼吸器専門三次救急がなく中央区・城南区へ搬送され時間がかかる。
博多区は中央区の2倍以上の面積に対して呼吸器系医療機関が分散・不足。
病院集約とコストの関係
HYPOTHESIS 下位5% vs 上位5% — 病院集約度の比較
搬送数上位10病院が占める割合(%)
高コスト 上位5%
51.59
低コスト 下位5%
57.84
博多区 vs 東区 — 上位5病院が占める割合(%)
博多区
53.62
東区
70.83
仮説の検証
下位5%(低コスト)は搬送先がより集約されている。物理的に近い病院に集約することがコスト低下につながる可能性がある。
FACTORS 高コストの推測要因 — 博多区 / 精神系
① 年齢構成
博多区の上位5%データは成人割合が高く高齢者が少ない。精神系救急で成人割合が高い地域ほどコストがかかる傾向。
(13〜20時の呼吸器系では逆に高齢者が多い)
② 搬送先の分散・距離
東区は区内の病院への搬送が多いのに対し、博多区は区外(中央区・城南区方面)への搬送が多く、物理的距離がコストに直結。
③ 博多区の特殊要因
福岡空港(博多区)の搬送への影響、搬送件数が82,000件と最多。
中央区は消防局本部がある→円滑な連携→コスト低。
改善アイデア
博多区の重要交差点(蔵本・呉服町)に自転車専用道路帯を設置 → 救急車が通りやすくなる(副次的利点:歩行者の安全確保)
分析でわかったこと — 4つの傾向軸
🏥 病院の傾向
高コスト病院(福岡記念病院・九州医療センター・千鳥橋病院等)は多くが福岡市内。距離的な移動よりも受入体制や待機時間の影響が大きい可能性。
🫁 疾病の傾向
精神系は1件あたり68分と突出。受入体制が整わず多回照会が発生。呼吸器系は件数・時間ともに大きく全体に影響。
⏰ 時間の傾向
曜日差は小さい。13〜20時(夕方)に搬送件数が集中。博多区・呼吸器系のこの時間帯の総コストが最大。
📍 地域の傾向
博多区(精神・呼吸器)と西区(呼吸器)が高コスト。東区(精神系)は病院集約・近距離搬送により相対的に低コスト。
まとめ & 介入可能性
+55
件(博多区精神系シミュレーション)
博多区の精神系搬送コストを東区水準に改善できれば、約53時間分節約し追加55件の搬送が可能。病院集約と受入体制の整備が鍵。
搬送可能(上位5%コストを平均まで改善した場合)
上位5%の搬送時間約24,000時間を平均水準まで下げられれば理論上2倍の件数を搬送できる。精神系・呼吸器系・博多区13-20時への集中介入が最優先。
3点
介入ポイント
① 精神科受入体制の整備(博多区・西区)
② 博多区の交通インフラ改善(自転車専用レーン等)
③ 呼吸器系の西区病院カバーエリア再設計
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