PBL最終発表 — トリアーズ

救急辞退の構造と #7119 最適利用提案

福岡市データ分析
江崎・今福・岡本・松村・松﨑・松崎
1現状把握
2内訳分析
3課題特定
4データ検証
5#7119の効果
6提案・シミュレーション
① 現状把握 — 不搬送の規模と内訳
福岡市の救急車、
出動50万件のうち13.58%が不搬送
68,000件+
不搬送件数(年間)
13.58%
出動件数に占める割合

不搬送が多いと、本当に緊急度の高い要請に救急車が対応できないリスクが生じる。 50万件の出動のうち約1割超が実際には搬送に至っていない深刻な状況。

拒否44% + 辞退34% が大半
68,201件
拒否 44.0%(29,808件)
辞退(後) 34.0%(23,188件)
明確な死亡 6.0%
その他 16.0%
💡「辞退」=搬送の必要性がないと双方が判断。事前の判断改善で防げるケースが多い。
「辞退」の割合を減らす
🔴
拒否(44%)

救急隊は搬送必要と判断したが本人が拒否。第三者通報による不要出動が典型例。

🟡
辞退(34%)← ここに注目

本人・救急隊ともに搬送不要と判断。そもそも119番する前に判断できれば防げる。

② データ検証 — 地域・曜日・時刻の分析
南区・西区の辞退率が突出して高い
南区
36.4%
36.4%
西区
36.3%
36.3%
城南区
31.0%
31.0%
早良区
31.9%
31.9%
中央区
28.4%
28.4%
東区
25.0%
博多区
27.2%
カイ二乗検定で南区(+11.65)・西区(+9.52)が有意に高い残差。東区・博多区は逆に低い。
夜間(17時〜7時)に辞退率が3割超。曜日は非有意。
0.20 0.30 0.35 0.40 夜間(0-7時) 夜間(17-23時) 0 3 7 11 15 19 23 受付時刻(時)
🔴 深夜0〜5時が最も辞退率高(カイ二乗検定で有意な正の残差)。病院が空いていないため「とりあえず119」→現場で辞退するパターンが多いと推測。
🟢 曜日との関連は検定で有意差なし → 時刻に集中して対策を打つべき。
③ 解決策 — #7119の効果と現状の認知率
119番前に専門家に相談できる窓口
#7119
電話をかける → 症状を伝える
緊急度 高

救急車を要請
緊急度 低

医療機関案内
東京・大阪のデータでは
相談件数の約85%が「救急車不要」と判断
→ 119への過集中を大幅に軽減できる実績あり
市民の半分しか知らない
45.8%
知っていた(全体)
53.1%
知らなかった
年代別 認知率
18-29歳
40.5%
30代
52.5%
52.5%
40代
46.8%
50代
41.3%
60代
44.9%
70歳+
47.3%
実施自治体は非実施より一貫して低い
未実施 全体 実施 12% 9% 2% 2009 2018
統計的に有意差あり。#7119実施自治体は不搬送率が約3%以下で推移(未実施は12%前後)。
④ 提案 — #7119 認知率向上のメディア計画
データに基づく3つの広報アクション
01
朝・夕方に集中した公共広告
辞退率が上がり始める17時〜夜間帯の直前に広告接触させることで、「判断に迷ったら#7119」の意識を醸成。朝夕は公共交通機関の利用者が最多で効率的な周知が可能。
時刻分析→根拠あり
南区・西区への重点投下
02
カイ二乗検定で有意に辞退率が高い南区(残差+11.65)・西区(+9.52)に絞ってポスター・チラシを集中配置。行政区単位でのメリハリある広報。
地域分析→根拠あり
03
ポスター・パンフレットの強化
福岡県ではポスター・パンフレット経由の認知が他県より高い(25%)。この既存の強みを活かし、病院・薬局・スーパーなど目につく場所への設置を拡大する。
媒体データ→根拠あり
⑤ シミュレーション — 認知率向上で不搬送率はどう変わるか
効果率70〜80%想定(東京・大阪実績より)
現状 認知率45%
15.0%
不搬送率
目標 認知率65〜70%
10〜11%
不搬送率(効果率70%時)
認知率を現在の45% → 65%に引き上げるだけで、不搬送率を約4〜5ポイント削減できると試算。 認知率70%が有意な変化が現れるターゲットライン。
不搬送1件 = 45,000円のコスト
現状の不必要な出費(年間)
33.75億円
75,000件 × ¥45,000
出動件数  500,000件
不搬送率  15%
不搬送件数 75,000件
1件コスト ¥45,000
認知率65%達成で不搬送を約20%削減できれば
→ 年間 約6〜7億円のコスト削減効果